津波で大きな被害を受けた岩手県山田町では、入れ歯を失って、十分な食事をとることができないお年寄りのために、自衛隊の医療チームが入れ歯作りを続けています。

入れ歯を作っているのは、青森県の自衛隊三沢病院の医療チーム3人で、仮設の診療室が設けられた山田町の山田高校には、入れ歯を求めてお年寄りが連日訪れています。被災者の中には入れ歯を失ったため、流動食しか食べられなかったり、かまずにのみ込んだりしている人がいて、栄養不足や消化不良が心配されています。

このため、医療チームでは、およそ1か月間使える応急的な入れ歯を作って、これまで5日間で100人近くの人たちに提供しました。入れ歯を受け取った76歳の男性は「かみ合わせは、いいです。これまでは、おにぎりをおかゆに
して流し込んで食べていました。これからはしっかりかんで、食事ができるのでうれしい」と話していました。

医療チームの自衛隊三沢病院の光末久美子歯科医官は「ここに来られる人だけでなく、寝たきりのお年寄りで入れ歯が必要な人への対応も検討したい」と話しています。