不要の金歯や入れ歯を回収し、子供たちの福祉に役立てる活動「歯の妖精 トゥース・フェアリープロジェクト」の寄付総額が、1億6千万円を突破した。寄付金は今後2年間の寄付と合わせ、日本初の小児ホスピスと小児がん専門の治療施設などのために使われる。
活動に取り組む日本歯科医師会と日本財団によると、同プロジェクトは平成21年6月に開始。全国の約3200の歯科医院から計約540キロの金歯や入れ歯が集まり、約1億6千万円に換金された(1月25日現在)。不要な金歯や入れ歯はこれまで、医療廃棄物となるケースが多く、同医師会として回収に取り組むのは初めて。
寄付先に決定したのは、重度障害などの子供と家族のためのホスピス「海のみえる森」で、神奈川県大磯町に来年夏、完成予定。その建設費の一部(予定金額約1億1千万円)として寄付する。
もう一つの寄付先は、小児がん患者のための治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」で、25年春に神戸市中央区に完成予定。その建設費の一部(同3億円)に充ててもらう。この施設は、親も子供と一緒に寝泊まりし、子供に放射線治療など長期間にわたる治療を受けさせることができる。
両事業の達成には今後2年間で約3億円が必要。歯科医師会では、全国6万5千人の歯科医師にさらに協力を呼びかける。回収は郵送でも受け付けている。問い合わせはフリーダイアル0120・24・2471(平日午前9時~午後5時)。